パンフレットだけじゃダメ。重要事項説明書を読んできちんと保険を選びましょう

保険の加入を検討する際、どの資料を見て保険を選んでいますか?

実際のところ、担当者から渡されたパンフレットと見積書で検討しているという方が多いと思います。

パンフレットと見積書でも、保険についてある程度のことはわかります。しかし保険の内容をきちんと理解するためには重要事項説明書を読むことが絶対に必要です。

ここではなぜ重要事項説明書を読まなければならないか、そして読み解くにはどうしたらいいか、について解説致します。重要事項説明書を読んで、きちんと保険を選びましょう。

重要事項説明書イメージ

目次

  1. なぜ重要事項説明書を読まなければならないか
  2. 重要事項説明書に書かれていること
  3. 重要事項説明書をどう読んだらよいか
  4. 最後に

1.なぜ重要事項説明書を読まなければならないか

1-1.パンフレットだけではダメな理由

保険のパンフレットには、商品内容がとても分かりやすく書いてあります。イラストも多く盛り込まれ、読みやすく作ってあります。

なぜパンフレットだけではダメなのでしょうか?

パンフレットと重要事項説明書、それぞれの位置付けについて理解するとその理由がよくわかります。

パンフレット

・・・興味を持ってもらうことが目的。保険金を受け取れる事例について写真やイラストを交えてわかりやすく説明している。

重要事項説明書

・・・理解を深めてもらうことが目的。保険に加入すべきかどうか判断するために必要な情報を載せている。保険金を受け取れる主な場合だけでなく、受け取れない主な場合についても併記するなど、消費者にとって不利益な事柄も含め重要な事項について網羅している。文字が主体。

パンフレットにはいいことばかり強調して書いてあります。それはパンフレットが保険に興味をもってもらうための資料だからです。

それに対して重要事項説明書には、いいことも悪いことも、大事なことは全部書いてあります。保険について理解を深め加入すべきかどうか判断してもらうための資料だからです。

ですから、加入を検討する保険にきちんと知るためには重要事項説明書を読む必要があるのです。

1-2.保険に加入したら重要事項説明書の内容を理解したことになる

保険に加入した人は、重要事項説明書をひと通り読んで内容を理解したことになっています。

それは、保険加入時の署名や捺印の中に、「重要事項説明書の内容を理解したこと」の意思表示が含まれているからです。

申込書の署名欄・捺印欄のあたりをよく見ると、その旨の説明がありますからご興味のある方は見てみてください。

たとえば東京海上日動の自動車保険申込書の署名欄には次のような文言が添えられています。

申込書および重要事項説明書により契約内容が意向に沿ったものであることを確認しました。「保険種類」欄に表示した普通保険約款および特約が適用されることを承認のうえ、保険契約を申込みます。重要事項説明書、クーリングオフ説明書を受領し、個人情報の取扱いについても同意します。

重要事項説明書の内容を理解したことになっているわけですから、「そんな説明は聞いていない」というクレームは簡単には通りません。

1-3.情報提供義務との関連性

保険業法という法律によって、保険会社および代理店(以下「募集人」と表記します)は、保険加入の適否を判断するのに必要な情報を消費者に対して提供することが義務付けられています。

そして情報提供はその品質を確保するために一律・画一な手法で行うこととされており、実務上は重要事項説明書によることが定められています。

つまり募集人から提供される情報のうち、メインとすべき情報源に位置付けられているのは重要事項説明書である、ということです。

そこからすると、パンフレットはあくまで補助的なものでしかありません。

さらに言えば担当者の説明も、同様に補助的なものでしかないということです。

重要事項説明書=教科書、パンフレット=参考書、担当者の説明=教師の授業、と置き換えるとわかりやすいでしょうか。

2.重要事項説明書に書かれていること

2016年12月現在、重要事項説明書は「契約概要」と「注意喚起情報」の2つに整理して記載されており、それ以外に「その他参考となるべき情報」も付随的に盛り込まれています。

2-1.契約概要

契約概要には、保険金を受け取れる場合・受け取れない場合等の主な事例など、保険の商品内容そのものに関する事項が書かれてあり、主要なものは以下のとおりです。

  • 商品の仕組み
  • 保険金を受け取れる場合・受け取れない場合等の主な事例
  • セットできる主な特約、およびその概要 など

商品内容についてはここを読めば理解することができます。

2-2.注意喚起情報

注意喚起情報には、契約者の義務や保険会社が破たんした時の取扱いなど、契約者が注意すべき事項が書かれており、主なものは以下のとおりです。

  • 保険金を受け取れない場合等の主なもの
  • クーリング・オフ
  • 告知義務および通知義務の内容
  • 保険料の払込猶予期間、契約の失効、契約の復活等
  • セーフティネット(保険会社が破たんした時の取扱い)
  • 解約返戻金の有無 など

注意すべき事項について書いてありますので、重要度は高いと言っていいでしょう。

2-3.その他参考となるべき情報

その他参考となるべき情報には、主要な付帯サービスなど、保険に加入するうえで参考となるべき事項について書かれています。自動車保険のロードサービスなどがこれに該当します。

 

3.重要事項説明書をどう読んだらよいか

3-1.読む順序は最初から順番通りでOK

重要事項説明書は重要な事項について網羅することを最優先にする一方で、読みやすさについても相当配慮されています。保険の知識がない方でも読みやすいように、順を追って理解できるよう構成されていますから、最初のページから順番に読み進めてOKです。

なお、標準的な構成は次のようになっています。

生命保険の場合

  1. 契約概要
  2. 注意喚起情報

最初に契約概要、その後に注意喚起情報という順番に記載されています。

損害保険の場合

  1. 契約締結におけるご確認事項
  2. 契約締結におけるご注意事項
  3. 契約締結におけるご注意事項

契約締結⇒締結⇒締結と、契約における時系列順に記載されており、記載している情報が契約概要に該当する場合・注意喚起情報に該当する場合はそれぞれマークを付けてあります。

3-2.パンフレットと並べて読むと良い

重要事項説明書は文字ばかりでイラストはほとんどありません。文字だけで理解するのは難しいですから、パンフレットと並べてイラストを見ながら読み進めるのが良いでしょう。

このパンフレットを活用する方法は、われわれが商品内容について確認する際もよく使います。パンフレットで概要を頭に入れた後、約款の条文を読んで裏付けを取るようにしています。

良いところばかり強調されているパンフレットですが、作成にあたっては厳しいチェックを受けており(こちらの記事を参照)、間違った情報は載っていないため事故事例の確認には最適です。

3-3.わからない部分は質問を

重要事項説明書がわかりやすく書かれているとはいえ、パンフレットを活用してもわからない部分は出てくるものです。そんなときは担当者へ質問しましょう。通販の保険の場合はコールセンターで質問することができます。

担当者からしても一方的にご説明するというのはやりにくいもので、質問がある方が話が弾んで説明しやすくなるものです。こうした時のための担当者ですから、どんどん質問しましょう。

3-4.特に重要な部分

重要事項説明書の中でも特に重要なのは、消費者にとって不利益な情報が記載された部分です。

  • 保険金を受け取れない主な場合
  • 告知義務および通知義務

保険金を受け取れない主な場合

「こんな時に保険金がもらえる保険だ」と思っていても、意外なところで保険金を受け取れない事由が定められていることがあります。保険金を受け取れない主な場合についてはきちんと確認すべきです。

告知義務

告知義務は保険加入時に保険会社からの質問(告知事項といいます)に回答する義務のことで、この義務に違反した場合保険金を受け取れなかったり契約が解除されたりと不利益な扱いを受けることとなります。きちんと確認しておきましょう。

通知義務

通知義務は保険加入後に所定の事項に変更が生じた場合に保険会社へ通知する義務のことです。告知事項のうち保険会社が定めた事項が通知事項に該当します。この義務に違反した場合も告知義務違反同様の取扱いとなります。加入後の話であり、忘れやすい項目です。注意して確認しておきましょう。(なお生命保険では通知義務についてとくに記載されていないことがあります)

4.最後に

4-1.ご契約のしおりと約款について

保険において契約書に位置付けられるものは「約款」です。そして多くの保険では約款に加え、契約に関する重要なことがらをまとめた「ご契約のしおり」が用意されています。

重要事項説明書は重要な事項について抜粋したものであり、すべてが記載されているわけではありません。ですから、すべてについてきちんと確認したい場合には「ご契約のしおり」や「約款」を参照するようにしましょう。

「ご契約のしおり」や「約款」の多くは保険会社のホームページに掲載してありますし、担当者に請求すれば冊子を入手することもできます。

4-2.まとめ

保険について理解するために必要な情報はとても多いです。そのため、担当者が口頭ですべて説明するのは不可能に近いですし、途方もない時間がかかるため現実的ではありません。重要事項説明書が用意されている背景にはそうした事情もあります。

なお当店ではご要望があれば重要事項説明書の読み合わせサービスを実施しています。ご希望の方は仰ってください。よろしくお願い申し上げます。

 

保険の価値をきちんと理解して正しい判断をするために、そして後々のトラブル回避のために、重要事項説明書をきちんと読んで賢い消費者になりましょう。

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2016年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : hayami